2019年05月21日

字のないはがき

向田邦子さんのエッセイはどれもため息が出るほど素晴らしいのですが、
中でもマスターピースであろう「字のないはがき」が、絵本になりました。
角田光代さんが文章を書いて、私が絵を描かせていただきました。
こうやって書きながら信じられない気持ちです。
なんてことやろう。
向田さんご自身は亡くなられていますが、「向田邦子」さんは亡くなっていませんし、
これからもずっと生き続けられます。
だから絵本の表紙に書かれた「向田邦子 原作」の文字を、
そして「角田光代 文」の文字を、
はっきりとした緊張感を持って見ていたいと思います。
お二人とも心から尊敬する先輩です。
今までの絵本とは違った部屋を使って描きました。
一人でもたくさんの方に読んでいただきたいです。

もう一人「先輩」に関わったお仕事を。
文藝別冊から発売されたムック「永遠の太宰治」に寄稿させていただいています。
正確には以前「青い鳥文庫」の「走れメロス」に寄せた解説なのですが、
今回に合わせてリライトしました。
「先輩」って散々使ってきた言葉やけど、
私たちの「先輩」は、本当にすごい人ばっかりだ。