長嶋有さんの小説「もう生まれなくない」が文庫になりました。
文庫化に当たって、解説を書かせていただきました。
長嶋有作品のファンとして、とても光栄です!
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000355987
帯の言葉にもしていただきましたが、(特に現代において)長嶋有の小説がいかに誠実なレジスタンス小説であるか、ということを書きました。
アーザル・ナフィーシーの「テヘランでロリータを読む」も文庫化です。
こちらにも、解説を書かせていただきました。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309467436/
これは絶対に文庫化されなければならない作品、つまり、もっともっとたくさんの人に読んでもらわなければならない作品です。想像する、という行為について、この小説を著作「i」の中で引用させていただきました。というより、とてもとても重要な位置を占めています。
「読者よ、どうか私たちの姿を想像していただきたい。そうでなければ、私たちは本当には存在しない。歳月と政治の暴虐に抗して、私たち自身さえ時に想像する勇気がなかった私たちの姿を想像してほしい。もっとも私的な、秘密の瞬間に、人生のごくありふれた場面にいる私たちを、音楽を聴き、恋に落ち、木陰の道を歩いている私たちを、あるいは、テヘランで『ロリータ』を読んでいる私たちを。それから、今度はそれらすべてを奪われ、地下に追いやられた私たちを想像してほしい。」