2022年02月12日

私のいない部屋

レベッカ・ソルニットの自伝は、静謐で冷静で、でも情熱に満ちている。
その情熱はいつか強さになる。
書くこと、そして書くことによって世界を変えることに情熱を注ぐ彼女は、その思い(願いでもある)によって強い。
この強さはきっと、皆が獲得できるはずの強さだ。
そのために傷つき、苦しむことを恐れない人にだけ与えられる強さ。

「よくこうした営みの原動力は怒りだと思われている。しかし多くの運動に力を与えているのは愛だ。私はアクティビストの中で生きるうちにそう確信するようになった。また私的な社会で差し出されるトラウマへの処方箋はたいてい個人的なものだが、一方、誰かのために、あるいは自分を傷つけた状況を変えるために誰かと一緒に行動するときには、トラウマの中心にある孤立感や無力感を乗り越えるような連帯や力を経験することも多い。」