ちょうどリュドミラ・ウリツカヤの「緑の天幕」を読み終わったのだった。
たくさんの、本当にたくさんの人間の血が流れた土地だ。
その土地で、自由と文化のために生きた人間の軌跡は、無数に交差し、時に孤高で、細く、儚く、深く、濃厚である。
政治は、その軌跡をズタズタにする。
個人の、美しい瞬間や、大切な人との思い出や、忘れ難い景色を、なかったことにしようとする。
彼らがどれだけ「ここにいる。私たちはここにいる」そう訴えても、その声すらかき消す。ただただこわす。
人間がなしうる罪の中でも、最も重いと思う。
ロシアのウクライナへの侵攻に、強く反対します。
「この世には奇妙な法則があるー自分に罪悪感を覚えるのは、常に最も罪のない者たちなのである……。」