新作を見つけたら買わない選択肢は絶対にない、そしてすぐに読み始めない選択肢はない作家が数人いる私はもちろん幸せだ。コルソン・ホワイトヘッドの「ハーレム・シャッフル」は、私を異世界に連れてゆき、かき回し、鮮やかなやり方で着地させてくれる。それも、うんと新しくて眩しい場所に。
藤井光さんの後書きで、「ハーレム三部作」の構想が明かされた、と知って、しばらくそれを楽しみに生きてゆけるやん、やっぱり私はとても幸せだ、と思った。
「痛みがあるということは、痛いのだろう。きつさにも、耐えられるものと耐えられないものがある。少しばかりつまんで、分け前にあずかるわけだ。」