2024年04月15日

トランスジェンダー入門

周司あきらさん、高井ゆと里さんの共著、
お二人がこれを書いてくださったこと、書かなければならなかったこと、
ここに書かれた、そして書かれなかった彼ら、彼女ら、そして彼ら彼女らでもない方達のこと、
たくさんの「たった一人の自分」が、「たった一つの自分だけの人生」を歩むことができないこと、
自分が無知であったこと、自分が当然のように「普通」側に立っていたこと、
そして今もそうで、誰かを傷つけながら生きていること。
あらゆることを同時に、複雑に、そして途絶えることなく考え続けます。

「書き手である私たちは、そのことを知っています。シスの人でも分かるような、読みやすく、整頓された文章を書けば、みんな読んでくれると信じています。だから、私たちはこの本を書きました。しかし同時に、私たちは知っています。こうして分かりやすく平易にまとめた文章ではない、トランスたちの雑多でカラフルで、苦痛に満ちたリアルな声は、やっぱり無視されるのだと、知っています。あなたのもとに届いている「トランスの声」には、すでに偏りがあります。この本を書く私たちは、そのことも知っておいてほしいと思っています。」