2024年09月18日

母と娘

夏2回来てますよね?
自律神経が乱れに乱れております。
あれだけ大好きだった、待ちきれなかった夏のことが嫌いになってしまいました。
とても悲しいです。

ミシェル・ザウナー『Hマートで泣きながら』
母との記憶、母との記録。
著者が韓国料理に没頭することは間違いなく母と、そして母の持つ歴史と繋がる大切な時間で、その時間が著者にとってどれほど救いになっただろう。今日もHマートには、きっと彼女のような人がいて、静かに泣いているのだろう。

「愛する人々のなかで鼓動を続ける愛情が、母の芸術だった。一曲の歌や一冊の本に負けない世界への贈り物だった。愛も芸術も、どちらか一方だけでは存在できない。もしかするとわたしはただ、この世に残された母のかけらは自分だけなんじゃないかと思い、そのことにおびえていたのかもしれない。

デボラ・レヴィ『ホットミルク』
ミシェル・ザウナーが母との繋がりを懸命に保存しようとしていたのに対して、『ホットミルク』の主人公ソフィアはその繋がりをおそらく呪いと捉えている。呪われてはいるが純粋に呪われてはいなくて、まるで抱きしめながら切り刻まれているような母との関係は、彼女にある景色を見せる。呪われている者にしか見えない美しい景色だ。

「私は交換の規則を破った。彼女は与え、私は受け取ったのに、私はお礼をしなかった。
 愛のようなプレゼントが、無償なわけがない。」