2010年03月05日

マーシイ

トニ・モリスンの新作「マーシイ」を購入しました。
モリスンの新作が出るというだけで、そわそわ落ち着かず、急に「あああ!」と声が出たり、涙ぐんだりしていました。つまり、情緒不安定になりました。
今手元にあるのですが、読みたい読みたい読みたいと思い続けている反面、読んでしまうと「読み終わってまうやんけ!」という不安に襲われる。表紙を撫でる撫でる撫で撫で続ける。
 
モリスンのことは、いろんなエッセイやインタビューで語っていますので、ここでは詳しいことは書きませんが、去年の出来事で(もしかしたら人生で)一番嬉しかったのが、「ソロモンの歌」文庫の帯文を書かせていただいたことです。おこがましさ、嬉しさ、恥ずかしさ、誇らしさ、あらゆる感情が、うわわと押し寄せてきました。
 
作家として生活をしていても、パソコンに文章を打ち込んでいても、私がいる場所とは全く違う地平に、モリスンの物語はあります。揺るがない場所から、こちらに大きくて強い手を伸ばしてくれます。大袈裟ではなく、その手を感じている限り、私は死ぬまで生きていこうと思います。