2011年04月25日

舞台、映画、ダンス、太陽、と暗闇

4月もそろそろ終わろうとしていて、この1カ月は、なんていうか、
「あそこ」から「ここ」へワープした感があります。
「以前」から「以降」か。

4月の頭に、マームとジプシーの「あ、ストレンジャー」を観て、
すごく感動して、頭の中が、
はかなくて可愛いものでいっぱいになった、
ガーリィとかそういうことではなく、
とにかくいつくしみたいもの、消えてなくなってしまうもので、
きゅうきゅうになりました。

翌週には、山下敦弘さんの最新作「マイ・バック・ページ」の試写会へ行って、
観ている間、ずっと苦しくて、どうしてこんなに、と、こらえ、
途中から、ある場面から、ほとんど泣いていました。
同時代の幸福、この目撃している感じ。
公開されたら、みなさん、絶対絶対観に行ってください。
わしが言うことやないけれども、やっぱりこの目撃する感じは!

岡本太郎展にゆく。
ちょいちょい笑う。何がつくりたいねん。
「桃色の犬です」て何やねん。何やねん。ほんま、何やねん。
太陽の塔でかすぎる、ご神木かよ、コンパニオンの虚無の顔、
立派な大人になってもトラウマになる、岡本太郎のあの顔よ。
こわかったー。

後半、ままごとの「わが星」を三鷹に。
「あ、ストレンジャー」を観につれてってくれたクルーと共に、
わくわく、正確に鳴る電子音が、ぴー!と、それで、
みんなが一斉に動きだしたり、ぐるぐるまわったり、
叫んだり、手招きをしたり、やっぱりまわったり、ぴー!やって!
きもちよかったです。

「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」に初めてゆく。
真っ暗とは聞いていたからちゃんと真っ暗、でも、
結局私は最後まで目を使おうとしていた。
一緒に行った友人の顔を、はっきり思い浮かべて、ビールのグラスも、
杖の白も、やっぱり消えなかった。
声だけで人を好きになったり、においだけでその人を思い出したり、
そういうことがしたいのに、私には無理なのか。
私の目は、たくさんのことを担いすぎている。

暁「カノ女の前で私を呼びステにして」
ダンス公演である、みんなすごく近くで踊っているのに、
手が届かないような、でも、ぎゅう、と飛び出してくる感じもあって、
えんきんかんをつかめない、あれはなんでやろう。
爆笑してして、でも、次の瞬間には、く、と息を止めていました。
体がきれいや。

*「ユリイカ」5月号、超僭越ながら、角田光代さんについてのエッセイ「角田さんこわい」掲載です。
 角田さんの書きおろし短編「四月一日」を読んで泣く。なんでこんなすごいことが書けるのやろう。