4月もそろそろ終わろうとしていて、この1カ月は、なんていうか、
「あそこ」から「ここ」へワープした感があります。
「以前」から「以降」か。
4月の頭に、マームとジプシーの「あ、ストレンジャー」を観て、
すごく感動して、頭の中が、
はかなくて可愛いものでいっぱいになった、
ガーリィとかそういうことではなく、
とにかくいつくしみたいもの、消えてなくなってしまうもので、
きゅうきゅうになりました。
翌週には、山下敦弘さんの最新作「マイ・バック・ページ」の試写会へ行って、
観ている間、ずっと苦しくて、どうしてこんなに、と、こらえ、
途中から、ある場面から、ほとんど泣いていました。
同時代の幸福、この目撃している感じ。
公開されたら、みなさん、絶対絶対観に行ってください。
わしが言うことやないけれども、やっぱりこの目撃する感じは!
岡本太郎展にゆく。
ちょいちょい笑う。何がつくりたいねん。
「桃色の犬です」て何やねん。何やねん。ほんま、何やねん。
太陽の塔でかすぎる、ご神木かよ、コンパニオンの虚無の顔、
立派な大人になってもトラウマになる、岡本太郎のあの顔よ。
こわかったー。
後半、ままごとの「わが星」を三鷹に。
「あ、ストレンジャー」を観につれてってくれたクルーと共に、
わくわく、正確に鳴る電子音が、ぴー!と、それで、
みんなが一斉に動きだしたり、ぐるぐるまわったり、
叫んだり、手招きをしたり、やっぱりまわったり、ぴー!やって!
きもちよかったです。
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」に初めてゆく。
真っ暗とは聞いていたからちゃんと真っ暗、でも、
結局私は最後まで目を使おうとしていた。
一緒に行った友人の顔を、はっきり思い浮かべて、ビールのグラスも、
杖の白も、やっぱり消えなかった。
声だけで人を好きになったり、においだけでその人を思い出したり、
そういうことがしたいのに、私には無理なのか。
私の目は、たくさんのことを担いすぎている。
暁「カノ女の前で私を呼びステにして」
ダンス公演である、みんなすごく近くで踊っているのに、
手が届かないような、でも、ぎゅう、と飛び出してくる感じもあって、
えんきんかんをつかめない、あれはなんでやろう。
爆笑してして、でも、次の瞬間には、く、と息を止めていました。
体がきれいや。
*「ユリイカ」5月号、超僭越ながら、角田光代さんについてのエッセイ「角田さんこわい」掲載です。
角田さんの書きおろし短編「四月一日」を読んで泣く。なんでこんなすごいことが書けるのやろう。