加藤千恵さんの「その桃は、桃の味しかしない」文庫の、
解説を書かせていただきました。
千恵ちゃんは、恋、ではなく恋に落ちる「瞬間」や、
別れ、ではなく別れの「気配」など、
言葉にするのがすごくすごく難しい、
限りなく透明のことに輪郭を与える作家だと、
私は思っていて、
その「透明のこと」を、もしかしたら今までより静かな、
でも強い筆致で書いたこの作品は、
千恵ちゃんの新境地でもあり、傑作でもあると思っています。
今までの作品のファンの方はもちろん、
新しい読者の方、男性にも読んでもらいたい、
と、おこがましくも思っています。
*「暮しの手帖」65号に、エッセイ「夜」を寄稿させていただきました。
*芸術新潮連載「ミュージック三昧」、今回は、
「ART OF RAP」と、トライブ・コールド・クエストのことを書きました。