3月6日、イベントに参加させていただきます!!
https://katieleeellison.com/nonfiction-for-no-reason/
私は、「くもをさがす」の一部を朗読させていただきます。
素晴らしい方々とご一緒できること、とても光栄に思います。
2024年02月28日
水車小屋のネネ
津村記久子がいてくれて良かった、と、心から思った読書体験だった。
もう、本当に、本当に、本当に、素晴らしかった。
「日本の●●」みたいな言い方は失礼だけど、アリ・スミスの四季四部作を読んだ後に「アリ・スミスが世界にいてくれて良かった」と感じたあの時の気持ちと同じで、なんかもう、お礼しかない。
津村記久子さん、「水車小屋のネネ」を書いてくださって、本当にありがとうございます。
「律は長い間何も言えなかった。悲しいのでもうれしいのでもない感慨が、自分の喉を詰まらせていることだけが明らかだった。
陽が落ちきる直前に、それはよかった、と律はやっと言った。本当によかった。」
もう、本当に、本当に、本当に、素晴らしかった。
「日本の●●」みたいな言い方は失礼だけど、アリ・スミスの四季四部作を読んだ後に「アリ・スミスが世界にいてくれて良かった」と感じたあの時の気持ちと同じで、なんかもう、お礼しかない。
津村記久子さん、「水車小屋のネネ」を書いてくださって、本当にありがとうございます。
「律は長い間何も言えなかった。悲しいのでもうれしいのでもない感慨が、自分の喉を詰まらせていることだけが明らかだった。
陽が落ちきる直前に、それはよかった、と律はやっと言った。本当によかった。」
2024年03月12日
小山さんノート
ホームレスの女性として生きるとはどういうことなのか。
極限の生活をしながら、決して自分自身であることを手放さなかった小山さんの人生が、閃光のように読む者を射る。
今日もどこかに別の「小山さん」がいて、彼女の、彼女自身のために闘っている。
「見知らぬ人の笑顔に包まれて思いきり踊った。まるで身が空中に浮いたように止まらない。すばらしい三時間を過ごした。いつまでもこの思い出は美しい灯として消えないだろう。」
極限の生活をしながら、決して自分自身であることを手放さなかった小山さんの人生が、閃光のように読む者を射る。
今日もどこかに別の「小山さん」がいて、彼女の、彼女自身のために闘っている。
「見知らぬ人の笑顔に包まれて思いきり踊った。まるで身が空中に浮いたように止まらない。すばらしい三時間を過ごした。いつまでもこの思い出は美しい灯として消えないだろう。」
2024年03月21日
ネイティヴ・サン
リチャード・ライト「ネイティヴ・サン」、「アメリカの息子」がこのように「育つ」こと。
考えることを剥奪され、あらゆる可能性を封殺された上で、その国で生きてゆかなければならない「息子たち。」
そして当然、その「息子たち」が苦しめるのは、他の「息子たち」ではなく、同族の「娘たち」である。
1940年、つまり80年以上も前に書かれたこの本が、「今」を描いているように思えるのは、作品自体が優れているからだけではない。
「しかし、これはいつものことだった、このように逃げていくのは。ずっと前から、遅かれ早かれ、このようなことが自分の身に怒るとわかっていた。そして、ついに起きた。自分はこの白人の世界の外にいるのだと感じていたし、いまそれが本当のこととなった。」
考えることを剥奪され、あらゆる可能性を封殺された上で、その国で生きてゆかなければならない「息子たち。」
そして当然、その「息子たち」が苦しめるのは、他の「息子たち」ではなく、同族の「娘たち」である。
1940年、つまり80年以上も前に書かれたこの本が、「今」を描いているように思えるのは、作品自体が優れているからだけではない。
「しかし、これはいつものことだった、このように逃げていくのは。ずっと前から、遅かれ早かれ、このようなことが自分の身に怒るとわかっていた。そして、ついに起きた。自分はこの白人の世界の外にいるのだと感じていたし、いまそれが本当のこととなった。」
2024年04月09日
大阪
岸政彦さんと柴崎友香さんの共著、「大阪」の解説を書かせていただきました。
私は海外で生まれ、十代二十代のほとんどを大阪で過ごしましたが、
そこには私の知らない大阪が、そして知っている大阪がありました。
お二人の共著だから出来る多角的な大阪が、今日も息をしています。
私は海外で生まれ、十代二十代のほとんどを大阪で過ごしましたが、
そこには私の知らない大阪が、そして知っている大阪がありました。
お二人の共著だから出来る多角的な大阪が、今日も息をしています。