2013年01月05日
新年、明けましておめでとうございます。
ネパールでは、部屋からヒマラヤが見えるロッジに宿泊、
もう、信じられない景色、なにあれ、
訳もわからず、手を合わせてしまう。
かみさま、と、声に出してしまう。
神々しさの権化です。
どこに行っても見える。
何度見ても驚く。
しかしヒマラヤ山系って、富士山以上の「プライバシーゼロ!」やね。
インドでは、バラナシに滞在、
ガンジズ川の水に触れる。ぬるいなぁ、とか言いながら、
瞬殺で結膜炎に。
SA・SU・GA です!
でも、お腹は壊さず、まさかの2キロ増量、
インドのカレーもチャイもラッシーも、本当に本当に本当に美味しかった。
高名(自称)なホーリーマンに、手相や顔相、インド式ホロスコープを見てもらいました。
「悪いことは言わない」と言っていたのに、
私のことを、
「星に守ってもらえない」「誰にも理解されない」「心が弱い」「実質子供だ」「ものすごく頑固」「心と頭が反対を向いている」「心に火山を持っているため、爆発すると手がつけられない」など、言いたい放題。
あなたの「悪いこと」って、いったいなんですか?
唯一言われた良いことは、「創造的」。
「絵画でもデザインでも執筆でも、何をいくらやっても大丈夫」って言われたよ。
編集者の皆さん、だから私が絵を描いていても、
急に何かをデザインしだしても、許してよね。
2013年も、がんばってがんばって、書くからね。
ヒマラヤ山系の神々しさも、
遺体が焼かれるのも、赤ちゃんの遺体が流されているのも、
路上で人が倒れているのも、牛も、人糞も、犬も、
驚いたけど、でも、想定内の驚きというか、
それは私がユーチューブで見たり、テレビで見たり、
本で読んだり、写真で見たりしていたからで、
だからもう「知識」ってどうなの。
私たちは、どの国に行っても、どの場所に行っても、
「初めて!」と思えることが、少なくなってきているのかもしれない。
本当の「秘境」は、世界にはないのかも。
でも、でも、結膜炎で真っ赤になった目や、
鼻の奥にこびりついて取れないにおいや、
自分の皮膚を撫でた空気や、
舌を刺激したスパイスや、
私の脳みそよりも、きっと私の身体のほうが、
「初めて」を知っていて、それはとても羨ましいことだ。
私より、私の細胞のほうが、まだまだ旅のことを思い出しているのだ。
私は、私の「からだ」がすき。
2013年は巳年、年女です。
年女って、何かあるんですか?
厄年みたいなものですか?
それとも、いいことがある?
ちょっと、分からないです。
厄年の方も、そうでない方も、悪いことがあった方も、みんなみんな、
素敵な一年になりますように。
笑っていられますように。
2013年01月09日
白身
目に大きめのゴミが入っているようで、瞼を閉じづらいし、開けづらいのだ。
ベッドから出て、鏡を見てみる。
「ひ!」
白目の部分が、卵の白身のようになっている。
「ひいっ!」
しかもそれが、目から零れ落ちそうになっているのだ!
インドで結膜炎になったことは書いたが、
市販の薬を点眼していたら、帰国までには治っていた。
「とんでもない細菌が潜伏していて、再発したのか!」
慌てて着替え、最寄の眼科に飛び込んだ。
診断は、結膜浮腫。
しかも、私の場合、結膜炎やアレルギーが原因ではなく、
「目玉が寝てるときに圧迫されて、
血管やリンパから水が漏れ、白目に溜まっているんです。」
ということだった。
「眠っているとき、左目に圧力かけたりしませんでしたか?」
目に圧力かけながら寝るって・・・。
思い当たるのは、あれしかなかった。
猫だ。
私の家の猫は、子猫のときに電車の車庫から拾ってきた。
母猫が恋しいのか、ニャーにゃー鳴くので、抱くと、
膝や胸元では満足せず、体をよじ登って、首まで来る。
そして、顔に体を押し付けて、やっと安心するのだ。
眠るときも、暖かい腋の下や足の間には見向きもせず、
首、または顔で眠った。
それが、すごく可愛かった。すごくすごく可愛かった。
子猫のときには。
今、彼の体重は5キロ弱である。
自分の体のサイズを見誤っているのか、
それでも子猫のときのように、首、または顔で寝る。
5キロ弱の体が、私の左目を圧迫、
結果白目が白身みたいになって、目玉からだらりと零れ落ちたのである。
幸いにも、結膜浮腫というのは、たいしたことはなく、
点眼したら、これを書いている今では、すっかり引いてしまった。
しかし、猫。
朝慌てていた私に、
「飯飯飯飯飯!」の絶叫、
そして今は、私のパソコンの横で、
「そんなことはいいから撫でろもしくは遊べ」と。
・・・・。
やっぱ、可愛い!
子猫じゃなくても、何されても可愛い!
もう、もう、もう!
猫ったら!
河出書房「文藝」春号で、「ふる」の書評を、
マームとジプシーの藤田貴大さんが書いてくださっています。
なんて贅沢なんだ、幸せ。
藤田さんらしい、素晴らしい書評です。本当にありがとう。
集英社コレクション「戦争と文学」の無料ガイドブックに、
以前「すばる」で書いた「戦争のこと」収録しています。
梅崎春生の「ルネタの市民兵」について書きました。
「ダ・ヴィンチ」2月号にて、
「きいろいゾウ」映画公開記念と、絵本「めだまとやぎ」のことについて、
インタビュー掲載しています。
そして、同じ号では、又吉直樹さんが、
「ふくわらい」について書き、帯を作ってくださいました。
「常識に囚われず生きるのは難しい。だが、美しい。」
なんて素敵な帯なんだろう。
本当に本当に幸せです。
又吉さんの帯は、ヴィレッジヴァンガード下北沢店で見ることが出来るようです。
「HANAKO」、若木信吾さん連載の「INTERMISSION」に登場させていただいています。
若木さんに写真撮ってもらったー、わーい!
若木さんとは、若木さんの映画の話をたくさんしました。
すごく楽しかった。
また映画とってほしいです。
2013年01月15日
ベランダに大量の雪
皆さん、大丈夫でしたか?
私は、だめです!
さぼろうとタクシーに乗ったばかりに、
立ち往生、知らぬ場所で。吹雪。
絶望しました。
吹雪の中、タイヤ周りの雪かきをしてくださったり、
車を押してくださったご夫婦二組、
本当に本当に有り難うございました。
ちゃんとお礼が言いたい。
見てくださっていたらいいな、
初台坂下にお住まいの方々です!
有り難くて、泣きそうになりました。
運転手さんも、頑張ってくださって、
本当に有難うございました。
無事帰りました。
お風呂に浸かりながら、久しぶりに手を合わせた。
「ふがいない僕は空を見た」、やっと観れました!
素晴らしかったー!
原作で、胸をどかーんと、本当にどかーんと突かれて、
しばらく「ふがいない僕は空を見た」のことばかり考えていた、
だから映画はちょっとドキドキしていたのだけど、
本当に観て良かったです。
「生まれてきた」ことに「答がない」、その「答がない」ということが、
こんなにもこんなにも誠実に思える。
チャットモンチーライブ、ゼップ!
間違えてもう一個のゼップ行ってしもてあわあわしたけど、
でも間に合って、始まって、すぐ落涙。
ふたりの佇まいって、なんであんなに健やかで、切実で、
格好ええのやろう。
また大きな大きなおにぎりをもらったような気持ち。
がんばれます、がんばります。
国立新劇場「音のいない世界で」観劇。
子供向けのお芝居ということで、
本当に子供がたくさんいて、それで、みんな、
食い入るように舞台を見ていました。
素敵な景色だった。
長塚さん演じる鳥と暮らす男が素敵だった。
あと、ゲンとカイの兵士(楽団員)も面白かった!
リンネル2月号にて、「きいろいゾウ」映画化について、
インタビュー掲載です。
LEE2月号では、宮崎あおいさんと、
「きいろいゾウ」について対談させていただいています!
あおいさん、本当に素敵な方です。
「新刊展望」月号でも、「きいろいゾウ」映画化や、
「ふくわらい」についてのロングインタビューを掲載していただいています。
海猫沢めろん君が、寄稿してくださいました。
嬉しくって、泣てしもたよ、めろんくん!
2013年01月20日
直木賞のこと
「ふくわらい」を、直木賞の候補にしていただきました。
そのことを聞いたときから、なんてことやろ、えー、まじでー、ほう!
まるで自分の身に起こっていることとは思えず、
事前取材のとき、待ち会当日まで、
なんだからフワフワニヤニヤしていました。
でも、落選して、わー、
すごく、本当にすごく、悔しかった!
そのとき初めて、これは自分に起こったことなのだと、
はっきり思い知ったような気がします。
待ち会には、たくさんの編集者の方々、
作家の友人が来てくれました。
その景色が圧巻で、本当に嬉しくて、
そして、重みを感じた。
これだけの人が、自分に関わってくれているんだ!
しかもその背景には、装丁家さんや印刷所の方や、
営業、販売、製紙業の方などがいらして、
その行く末には、取次ぎの方、本屋さん、そして、読者の皆さんがいます。
執筆は個人的な作業ですが、
でも作品は、私のものだけではありません。
それを忘れてはいけないと思います。
朝井君と、安部さんが受賞されて、本当によかった。
矛盾しているようですが、心から思います。
これから、絶対に書き続けてゆく方と、
これまで、ずっと書き続けてこられた方。
ふたりの受賞は、本当に意義のあることだと思うのです。
安部さんの会見、感動しました。
私も、改めて、作家として腹をくくりたい。
皆さん、本当にありがとうございました。
私は作家です。
全力以上の力を出して、書き続けていきます。
いうて、3月は絵の個展させてもらうけども!!
今絶賛描き中やけども!
そして、1月24日から2月4日まで、渋谷パルコB1のロゴス ギャラリーにて、
「きいろいゾウ」絵本の原画展を開催いたします。
期間中、iichiというインターネットで販売している、可愛い、本当に可愛い作品の中から、
私がセレクトさせていただいたものを、特別に販売していただきます。
皆様、渋谷にお越しの際には、是非お立ち寄りください!
2013年01月24日
風邪を引かない私
勧進帳は三度目ですが、何度見ても泣けます。
もはや義経一行が登場してきた瞬間から号泣している。
義経の人生や弁慶との絆、
(その段階ではまだ登場していない)富樫の男気が、
私の心臓を、ぎゅーっと絞るのです。
「劇的!ビフォーアフター」で、
アフターの家族の喜びや、家と共に歩んだ歴史を思い、
ビフォー段階で泣くのと、同じやで。
海老蔵の弁慶、本当に本当にすごい。
海老蔵って、本当に本当にすごい。
口上でのにらみは、ぞわー、と、全身に鳥肌が立ちました。
これで今年は、風邪をひかない。
スピリチュアルなことを、素直に信じられないけれど、
でも、海老蔵には、常人が持っていない能力がある気がします。
昨日は、吉祥寺で、マームとジプシーの「あ、ストレンジャー」を見ました。
マームとジプシーを初めて見たのが「あ、ストレンジャー」だった、
あのとき、あまりに素敵で、びっくりして、
ぽかんとしたのを覚えている。
舞台の大きさは、5倍(?!)くらいになっていたし、
時間も長くなっていたけれど、あのときの「感動のぽかん」を、
またしてしまった。
どうしてあんなに切ないのだろう。
紀伊国屋書店の「キノベス!」1位!やったー、ということで、
授賞式とトークイベントに出させていただきます!
場所は紀伊国屋シアター。チケットはもう買えるようです。
トークのお相手は、瀧井朝世さん!
瀧井さんにインタビューしていただいた原稿は、
ほとんど直すところがありません。
細かな襞の奥まで、きちんと掬い取ってくださる方です。
そして、ジェニファー・コネリーに、似てるねんで。
皆様、是非お越しください!
http://www.kinokuniya.co.jp/label/20130117100700.html