2011年04月30日

うっかり休日

こういう仕事をしていると、世間が平日か休日かわかりません。
今日も、うっかり出かけると、人が多すぎびっくりして帰宅。
ゴールデンウィークが始まったのですね。
 
「GRAZIA」に、先月行ったブータンの紀行文掲載しています。
撮影は藤代冥砂さん!ブータンにずっと前から住んでるみたいに馴染んではりました。
そして素晴らしい旅でした。
出発の1週間前、登山の調整のためトレッキングシューズをはいて歩いていると、
二度転び、二度とも右ひざを強打、一日経つとみるみる腫れてきたので、
翌日病院にいくと、医者に「あー」といわれる。注射針を膝にさすと、
注射器二本分の血たっぷり、
「これはきっと靭帯損傷、登山どころかブータンも無理」と言われ、
泣きながら帰宅、でも「2回こけたからいけません」とはどうしても言えず、
テーピングでぐるぐるにして登山してやるぜ、と決意、
マサ斎藤、上田馬之助の本を読み、ミッキー・ロークの「レスラー」を観て、
「この旅で膝が壊れてもかまわぬ!」と士気を高めました。
膝は全然大丈夫です。MRIをとったら医者も驚く奇跡の軽傷でした。

それにしても、「レスラー」は本当に良かったです。
私は運動音痴だし、今使っているのは指先だけで、
だからどうしてもアスリートが眩しい。特にプロレスラーにはロマンがあります。
自分の体を限界まで使って、ぼろぼろで、でもそれ以外出来なくて、
入場曲を聴いて、自分が生きる場所を思い知る。
武藤敬司がシャイニングウィザードをしすぎて、膝に、
通常はできない骨ができた、という話を聞きました。
手術したら、その骨が何個も、ぽろぽろ出てきたそうです。
武藤だけじゃなくて、皆、肩とか腰を酷使しすぎて、未知の骨ができるのだそうです。
帰宅後、猪木の入場場面ばかりを見た。顔をずっと見ていました。
指先だけしか使っていなくても、
私は、ぽろぽろと、骨が出てくるような仕事をしているだろうか。
私の持てるものを、すべて、叩きつけているだろうか。

2011年05月05日

赤とブルー

「こうふく みどりの」から一ヶ月(早すぎる)、
文庫「こうふく あかの」発売です。
いくえみ綾さんの装画はまたしても素晴らしく、
巻末、文字にできなかった話も多々あって自分だけ贅沢、
西原理恵子さんとの対談も掲載です。
ゲラチェックで改めて読みかえしてみて、
自分が書いたことなのに、ほとんど忘れていました。
他人事のように、「ああ、すごく楽しみながら書いたな」と思います。
リング、プライド、泣く男、と、孕む女。

「ブルーバレンタイン」をみにゆく。
映画館、恐ろしいほど混んでて、すわ入れないか、と焦るも、
列はすべて「GANTZ」の列でした。
良い席で見れてよかった、映画はつらかった、ものすごくつらかった。
恋と生活って、相容れない。分かっているけど、手を伸ばしてしまう。
我々は大丈夫だと思ってしまう。
崩壊が始まると、まさか、と思うけど、
でもどこかで分かっていたような気もする。
エンドロールが終わって、電気がついても、
同じ列のはじっこの女の人が、しばらく呆然と座っていた。
彼女は恋愛の渦中にいるのだろうか、崩壊の渦中にいるのだろうか。

*「芸術新潮」ミュージック三昧、コラム掲載です。
  こどもの声について書きました。
*ダヴィンチ「合流注意」掲載です。

2011年05月11日

癒死

34歳になりました。
誕生日前日、33歳最後に何か映画をと思い立って、
悩んだ結果、「四つのいのち」を見にゆきました。
爺さんの顔と山羊の声が面白くて、ちょいちょい吹きました。
その余韻さめぬまま家に帰ってお風呂に入っていたら、
猫が風呂場に入ってこようか逡巡していて、
おいでおいでをすると一歩踏み出すのだけど、
肉球が濡れるのが奇妙なのか、
ゆっくりあとずさりをしたり、でも一歩踏み出したり、と繰り返し、
もう!!
どんだけ癒す気なのよ!!
エンヤ100回聞いてもおいつきません。
誕生日は生ガキにあたった。

*「オール読物」に中編?「タイムカプセル」掲載です。
  繁華街のオカマの話です。取材が面白かった。

2011年05月30日

穂村弘さんと

6月18日(土)、18時から青山ブックセンター本店で、
穂村弘さんのトークイベントに出演させていただきます!
穂村さんの新刊「君がいない夜のごはん」にちなんで、
ふたりで、食べ物の話をする予定です。
「なんでお前や!!」と、ほむほむファンに脳内でどつかれること必至、
ははは、うらやましいやろが。
私が言うまでもないですが、是非いらしてください。
そして、「君がいない夜のごはん」は、最高でした。
穂村さんって、本当にすごい。

「ブラックスワン」を観る。
こここここここここここここわい。
最初はえらいベタな、と思っていたけれど、
ナタリーポートマンなんか賞とったんですよね、
それがわかりました。すごかったー。

映画が始まる前に、「フレンチ・ウィンドウ展」を見る。
デュシャンの便器のやつ、居心地よさそうに鎮座。いらぬ風格。
基本まじめにふざけている感じがして、
ヨーゼフボイス展で大笑いしたことを思い出しました。
なので脳と一緒に逃げる。

*「ヨム花椿」に「自分風土記」寄稿、エジプトのことを書きました。
  テヘランとカイロで暮らしたという経歴ばかりは両親に感謝です。
  もしかしておもろい人間なのではと思ってもらえる。

*「UDAGAWA CAFE BOOK」にエッセイ寄稿。
 26歳のとき東京に出てきて、寂死しそうな頃、
 アルバイトを始めたのが宇田川カフェでした。
 社長はいろんな意味でものすごい雰囲気を持った人(返り血が似合う顔)で、
 本当にお世話になりました。
 その社長、大谷さんが10周年記念のカフェ本を出されたのです。
 表紙、社長の破顔にブルブル震えることしきりですが、とても面白いです。
 



2011年06月11日

誰も死なない恋愛小説

藤代冥砂さんの、「誰も死なない恋愛小説」(幻冬舎文庫)の、解説を書かせていただきました。
藤代さんは、いうまでもないですが、高名な写真家で、
なので、この小説は、多才な藤代さんのある一面、
とお思いになるかと思いますが、
いいえ、藤代さんは、写真を撮っても、小説を書いても、誰かと話をしていても、
「全面」藤代さんなのです。。
本当に素晴らしい小説でした。解説ってまじ難しい。
うっとうしい人は解説部分だけちぎってください。

7月2日(土)、大阪天王寺区太平寺で開かれる「文学碑記念の集い」に参加させていただきます。
講演、という形ですが、おそらくただ、しよもない話をするだけかと思われますので、
大阪在住の方、近郊にお住まいの方、お気軽にお越しください。
司会は笑福亭枝鶴さん、二部ではサックス四重奏の演奏だそうです。
楽しそうですね、二部からお越しくださっても!

7月2日(土)
14時から16時 太平寺にて 無料です
お問い合わせ 06(6469)5174 *電話にて申し込みらしいです